2年ぶりくらいの訪問。

ヒロ青山本店の厨房を預かる関口晴朗シェフは10年ほど前、スペイン・バスク地方の2つ星Mugaritz(ムガリッツ)での修業経験がある。なので、このリストランテ・ヒロはもちろんイタリアンレストランなのだけれど、ここのもう一つの顔は、実はめっぽう旨いスパニッシュレストラン…でもある。

最初からいきなり出てくるバスクの名物料理、小イカの墨煮…ならぬ、小イカの白ワイン煮込み。
ヒイカの中にイイダコよろしく詰め物をしてさっと煮て、またイカの脚を戻すという手間のかかる料理。

詰め物はタマネギの真っ白いペースト。鍋の中のホタルイカのような赤い色はイカから出た色。白ワインの軽い酸味とタマネギの甘さがあとをひく。 味も、香りも、一つの皿の中のコントラストで引き立つ。

次に出たフレッシュポルチーニは、伺った日に運よく今年の初便が入ったとのことで、おすそわけ。
テーブルに置かれた瞬間にポルチーニの香りが広がる。
ポルチーニはイタリアから運んでくるあいだに、どうしても香りは薄れてしまうはずだけれど、それを補ってさらに印象深くするために、周囲にパイをまとわせて香りを吸わせ、パイの香りで増幅させるというアイデア。
パイ包みだと形がとじこめられてしまうし、そのままだと香りが本国ほど広がらない後ろ向きな感じになるはず。茸独特のコキュコキュした感覚とパイのさくさくした食感。
これは関口シェフのアイデアとのことで、パイとポルチーニの香りのコントラストで楽しませる。

関口シェフの料理は、変わらず、Mugaritzの料理よりもっとカジュアルで、ストレートにうまく、しかも洗練されているバスク料理だ。ご無沙汰していてごめんなさい。
いやほんとに、時間の限られたお昼のコースの中でも関口節は全開!だった。

リストランテ・ヒロ 青山本店
03-3486-5561
東京都港区南青山5-5-25-B1F
11:30~14:00(L.O.) 18:00~21:00(L.O.)
月曜休