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香港のリピーターに行きたい店を尋ねると、必ずといっていいほど名前が挙がる杭州料理店。
幸運なことに、同時期に香港に行っていたお友達にお声をかけていただく。
多謝。
今回の香港は1泊2日で食事のチャンスは3回のみ、そのうちの1回にまたここを入れられるとは有難いことだ。

杭州料理は中国八大料理のうちの浙江料理のうちの一つ。
「銭塘江流域の湖水に産する淡水魚・エビ・水鳥、東シナ海で獲れる魚介類、内陸の丘陵地帯の野草や野菜が豊富であり、浙江料理はこれを背景としている」(wikiより)。
内陸なので、淡水エビや田うなぎや上海蟹など、淡水の海産物の料理が多く、味付けは比較的あっさりしたものが多い。温暖な地方で旬の素材が多いのもあっさりの理由の一つかもしれない。

天香楼の創業は1930年代の杭州。49年に中華人民共和国が建国されたときに香港に移転してきたという。従業員さんはみな、ここに何十年も勤めてきた人たちばかりだ。
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(従業員さん勢揃いの珍しい写真。Hanako 2014.9 No.1071より)

日本人には、ここの9〜12月の上海蟹や蟹餡かけ麺がことに有名で、値段は決して安くないため、麺だけ食べに来るお客さんさえいるようだ。だけどそれはここのお店の本当の良さの、ほんのわずかの部分でしかない。

今回も、オーダーはお友達にお任せ。
香港で料理を注文するのは難しい。同じ漢字圏といいながら、広東語のメニューは、見慣れないと何を注文してよいのか皆目見当がつかない。フレンチやスパニッシュのようなデギュスタシオン(テイスティング)コースもない。
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ここもご多聞にもれず。日本語メニューには、代表的なメニューしかなく、しかも値段が書いてない。下調べなしにここでオーダーする(コースを組み立てる)のは相当難しいかもしれない。
初めて来て、値段を見ずに日本語メニューから上海蟹を2ハイだけ頼んだ日本人のお客さんが、お会計を見て夫婦喧嘩を始めたという笑えない話も聞いた。そんなに高いと思わなかったんだろうなあ。。。

今回は頼んでもらったものを必死にメモる。次に、いつか自分で注文しなければならないときのために。

大根の漬け物
馬蘭頭 青野菜と干豆腐の和え物
酔蟹 酔っぱらい蟹
煙燻黄魚 イシモチの燻製
清炒蟹粉帯麺 蟹の卵、蟹肉かけまぜ麺
ナマコの醤油煮
筍の炒め物
酒燻丸子

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大根の漬け物は、最初に必ず出てくる。
味付けは花椒と、醤油と、砂糖だけらしいが、とてもそうは思えない。
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馬蘭頭(マーラントゥ)は日本語だと小嫁菜で、春の食材。上海では春に出る定番料理だという。柔らかくて干豆腐と合わせると彩りもよくて箸がすすむ。ごま油と塩が主体のあっさりした味なのに、忘れがたい。
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酔っぱらい蟹のあたりで紹興酒登場。
これは最強の痛風コンビ。これと大根の漬け物だけでいくらでも紹興酒飲めそう。
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イシモチの燻製は、黄金色で華やかだった。燻製香が素晴らしい。身は白身でほろほろと崩れる。何十年も変わらず作り続けられてきた歴史を感じさせる。

天香楼の料理はどれもオーセンティックで、最先端の食材の組み合わせもなければ、絵のような美しい盛り付けもない。値段も決して安くない。それでも、数十年作り続けられてきて、本当に良い素材を使い、ひっきりなしのお客さんにあぐらをかくことなく、味を守り続けることは並大抵ではないだろうと思う。
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酒燻丸子は温かい酒粕スープにフルーツとお団子が入ったもの。これも最後に必ず出てくる。
温かくてほのかに酸味があって甘く、胃を優しく整えてくれるようなデザート。

天香樓(Tin Heung Lau)
住所 : G/F, 18C Austin Rd., Tsim Sha Tsui
TEL : 2368-9660 / 2366-2414
営業時間 : 12:00-14:30、18:00-22:00
定休日 : 無休

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Hanakoは上の写真が載っている号です。